令和3年度天童市認知症サポーター活動推進事業


Mカフェ オンライン講演会

脳と心の石原クリニック(仙台市青葉区)の石原哲郎院長と、明幸園地域交流ホール(山形県天童市)をオンラインでつないだ特別講演会を開催しました。(令和4年3月5日)

「医療」の視点で語られる「介護」は、いつもそれとは少し違って聞こえました。

コロナ禍、オンラインかつ、入場者数も制限した開催となりましたので、当日の様子を収録して、公開いたします。

是非ともご覧ください。

*Zoomレコーディングビデオを簡易編集したものです。


オンライン講演会<前編>(48分02秒)

オンライン講演会<後編>(34分26秒)



チームオレンジM's 紹介ビデオ

ショートカット版(7分41秒)2022.03.19

フル版(19分21秒)2022.03.19


00 オープニング

みなさんは「オレンジリング」をご存知ですか?

 

また、地域のイベントや介護の現場で、このオレンジリングを身に着けた「認知症サポーター」と呼ばれる人たちを目にしたことはありませんか?

01 「認知症」の現状

この「オレンジリング」は、主に自治体が主催する「認知症サポーター養成講座」を受講した証として手渡されるもので、2020年6月現在、1,200万人以上の個人が受け取り、認知症に関わる様々な応援活動を行っています。

 

厚生労働省や自治体が重大政策として認知症サポーターを養成し、その活動を広めようとする背景、その理由はどんなものがあるのでしょうか?

 

日本において、2025年には、65歳以上の5人にひとりが、認知症になると予測されています。

人生100年時代。高齢者の人口割合が増すと同時に、その2割が認知症を発症しているとも考えられます。

 

これからの高齢化社会の最大の課題は、認知症対策です。

国や自治体が認知症サポーターの養成に力を入れているのは、近い将来において、増加する認知症の人たちを、介護施設や家族だけで支えることは難しいという認識があるからです。

02 東北福祉大学 矢吹准教授

・認知症に関する社会的な課題と政策の動向

03 認知症カフェ

先にご説明したとおり、全国に1,200万人の認知症サポーターが誕生し、地域それぞれに、認知症の方やそのご家族、困っている人への応援活動が行われています。

 

そんな活動のひとつにあげられる「認知症カフェ」や「オレンジカフェ」は、皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。

2012年、厚生労働省が定めた「認知症施策推進総合戦略オレンジプラン」の中、情報の共有や憩いの場として「認知症カフェ」が推奨されて全国に広まりました。

 

ここ山形県でも、35の全市町村で、総数109の「認知症カフェ」が存在しています。

新型コロナの感染拡大によって、カフェが開催できないといった厳しい状況が続いていますが、地域の中でのつながりを無くすことなく、「集いの場」を提供する取組みが行われいます。

 

天童市には2つの「認知症カフェ」があり、そのひとつが、私ども明幸園が主体となって運営している「Mカフェ」です。



矢吹准教授インタビュー

認知症に関連する社会的問題(3分06秒)

これからの地域創りとチームオレンジの役割(4分50秒)



04 Mカフェ

Mカフェは、毎月第1土曜日、コロナ禍以前は、特別養護老人ホーム明幸園内の地域交流ホールで開催していましたが、ここ1・2年は、天童市の蔵増公民館をお借りするなどして、できる限りの活動を継続しております。

 

専門家を招いた公開セミナーを開催する場合もありますが、カフェタイムやミニ講話を中心に、誰にでもウェルカムでオープンな“集いの場”を提供することに努めてきました。

 

明幸園には、認知症サポーターはもちろん、介護福祉に携わる各種の専門職といった多くの人材と、30年におよぶ知識と経験が蓄積されています。

認知症カフェ、Mカフェの運営は、明幸園が保有する建物や人材、長年の知識や経験、「これらを社会的資産として地域に還元する」、私たちが果たすべき大きな役割だったように感じています。

05 チームオレンジM'sの発足

2019年、厚生労働省の「認知症施策推進大綱」に従い、認知症サポーターの活動をさらに促進させる取り組み「チームオレンジの推進」が、全国各地ではじまりました。

 

認知症サポーターひとりにできることには限界がありますが、行政機関や地域各所とネットワークを形成できる組織的な活動に、大きな期待を寄せています。

しかしながら、皆で支え合い、皆で助け合う関係性が、改めて描かれたという見方をすれば、昔は当たり前だったと懐かしむ声も聞こえてきそうです。


06 チームオレンジの活動

「Mカフェ」という拠点をもっていたこともあり、私ども明幸園が中心になり、

2019年4月、「チームオレンジM‘s」を発足。

認知症サポーターの資格を有する地域の方々10名もチームに加わりました。

 

Mカフェの運営が3年目をむかえた当時、チームオレンジへのステップアップは、自然な流れだったかもしれません。

 

「チームオレンジM‘s」の当面の活動目標は3つ。

一つは、Mカフェの運営をさらに地域に定着させる

二つは、デイサービスセンターなどの介護サービスに、ボランティアとして積極手に参加する

三つは、お一人暮らしのご自宅を訪問するなど、地域の見守り活動を行う

 

どの活動も「する側・される側の負担にならないこと」を大事に、チーム全員での話し合いを重ねています。 

 

「チームオレンジM‘s」としての活動を開始しようとした矢先、新型コロナの感染が広がり、思ったような活動ができない日々が続いています。

そんな中、「チームオレンジM‘s」に参加した地域の方々が、目標を見失うのではないかと心配しましたが、

皆さんの思いは明確で、私どものほうが勇気をもらっています。

07 メンバーインタビュー

・チームオレンジに参加したきっかけ

・これからの活動に向けて

08 個人宅への訪問

新型コロナの感染収束が見えた先日、地域の個人宅に訪問できたことは、

「チームオレンジM‘s」にとって、大きな成果となりました。

 

旦那さんとのお付き合いがはじまったのは2年前。

当時、奥さんとお二人でMカフェに参加されていた旦那さんですが、現在は、お一人暮らしです。

認知症を発症した奥さんを半年前に亡くし、旦那さんがお一人で通うようになった先日のMカフェがきっかけとなり、今回の訪問となりました。

 

 

私たちの帰り際に、寂しそうな表情を見せた旦那さん。

ご夫婦お二人の頃に生まれた小さなつながりですが、いつまでも温かく、大切に紡いでいくことが、「チームオレンジM‘s」としての大きな目標となりました。


09

東北福祉大学 矢吹准教授

「認知症」との共存・共生に向けた地域の役割

10

チームリーダー 今野主任

チームオレンジが目指すもの

 

11

マネージャー 山本施設長

地域共生社会の実現に向けた明幸園の使命


99 エンディング

認知症はもはや特別なものではなく、日常生活や近隣の地域に当たり前に存在し、認知症に関わるひとやエリアは広がっています。認知症の人も、認知症ではない人たちも、ともに暮らしているんです。

 

そのような社会が住みよくなるために、多くの人が認知症を知り、普段の暮らしの中で認知症の人を見守り、手を差し伸べられる、そんな地域づくりが必要とされています。

 

認知症のひとが暮らしやすい地域は、どんなひとでも暮らしやすいに違いありません。

そんな地域にするために、私たち一人ひとりができることは、たくさんあるはずです。